練習問題
1. 図形の描画
次の図になるようにプログラムを作成してみましょう.
色は必ずしもこの通りでなくて構いません.
プログラム名は,DrawShapes2
としてください.
2. サイン波の描画
$0 \leq x \leq 2\pi$ の範囲でサイン波を描画してみましょう.クラス名は SineCurve
としてください.
ヒント
プログラム全体の構成
上の図は,399本の直線で描画されています.
x=0
から400
未満まで繰り返し,v = Math.sin(i * delta) * s
で$(x_i, y_i)=(i, v)$を得ます.
$((x_{i-1}, y_{i-1}), (x_i, y_i))$に線を追加することで上記のサイン波が描画できます.
なお,delta
($\delta$)は横幅,s
($s$)は高さを表しています.
EZ.initialize(400, 400)
で初期化した時,
delta
が $\delta = \frac{2\pi}{400}$,s
は $s=\frac{400}{2\pi}$です.
また,中央に寄せるため,y軸方向に +200 としてください.
Java での $sin$,$cos$
Javaで,$\sin$, $\cos$を計算するには,Math.sin
,Math.cos
メソッドを利用しましょう.
ただし,以下の点に注意してください.
- 引数にはラジアンの値を渡してください.
- $\pi$を利用するには,
Math.PI
という変数を利用してください. - すなわち,$\sin \frac{\pi}{3}, \cos \frac{\pi}{3}$をJavaで求めるには,次のようなコードを用いてください.
Double sinValue = Math.sin(Math.PI / 3.0);
Double cosValue = Math.cos(Math.PI / 3.0);
Double型のInteger型への変換
Double
型をInteger
型として扱うには,Double
型の変数に対して,intValue
メソッドを呼び出しましょう.
例えば,Double
型のdValue
という値を Integer
型のiValue
に代入するには,次のようなプログラムになります.
Double dValue = // Double型の値を代入.
Integer iValue = dValue.intValue();
3. コッホ曲線(Koch curve)の描画
コッホ曲線は,線分を三等分し,分割点を頂点とした正三角形を描く線です. この作図を無限に繰り返すことで,線分の長さが$\infty$になります. コマンドライン引数でコッホ曲線の $n$ を指定できるようにしましょう.
クラス名は,KochCurve
としてください.
コッホ曲線の例を以下に示します(画像のクリックで画像が更新されます).
上記のように,$(x_1, y_1)$と$(x_5, y_5)$が指定された時,$(x_2, y_2)$〜$(x_4, y_4)$を求めましょう.
- $l=(\sqrt{(x_5 - x_1)^2 + (y_5 - y_1)^2})/3$
- $(x_2, y_2) = (x_1 + l, y_1)$
- $(x_3, y_3) = (x_2 + l\cos{\frac{\pi}{3}}, y_2 + l\sin{\frac{\pi}{3}})$
- $(x_4, y_4) = (x_1 + 2l, y_1)$
$n=1$までは上記のように計算できますが,$n>2$の場合はこの計算では求められません. 次の例を元に考えてみましょう(画像のクリックで画像が更新されます).
上記のように,$(x_1, y_1)$と$(x_5, y_5)$が指定された時,$(x_2, y_2)$〜$(x_4, y_4)$を求めましょう. 元々の傾きを$\theta$として示します.
- $l=(\sqrt{(x_5 - x_1)^2 + (y_5 - y_1)^2})/3$
- $(x_2, y_2) = (x_1 + l\cos{\theta}, y_1 + l\sin{\theta})$
- $(x_3, y_3) = (x_2 + l\cos{(\theta + \frac{\pi}{3})}, y_2 + l\sin{(\theta + \frac{\pi}{3})})$
- $(x_4, y_4) = (x_3 + l\cos{(\theta + \frac{\pi}{3} - \frac{2\pi}{3})}, y_3 + l\sin{(\theta + \frac{\pi}{3} - \frac{2\pi}{3})}) = (x_3 + l\cos{(\theta - \frac{\pi}{3})}, y_3 + l\sin{(\theta - \frac{\pi}{3})})$
この計算式で,コッホ曲線を描いてみましょう. 再帰呼び出しを利用すると良いでしょう. $(x_2, y_2),(x_3, y_3)$間の直線を引く時,また,$(x_3, y_3),(x_4, y_4)$間の直線を引く時に それぞれを$(x_1, y_1),(x_5, y_5)$として再帰呼び出しを行えばコッホ曲線を描けるでしょう.
ヒント
再帰呼び出し
次のようなメソッドを用意しましょう.このメソッドを呼び出すことで,2点の間にコッホ曲線を描けるようになります.
void drawKoch(Integer x1, Integer y1, Integer x5, Integer y5,
Integer dimension, Double angle){
if(dimension == 0){
// (x1, y1)から(x5, y5)まで線を引く.
}
else{
// (x1, y1), (x5, y5) 間の長さの 1/3.これが l となる.
Double length = // 長さlを求める.
Double delta = Math.PI / 3.0;
// (x2, y2) を求める.
// (x1, y1)から(x2, y2)まで線を引く.
// (x3, y3) を求める(θ は angle + delta).
// (x2, y2)から(x3, y3)まで線を引く.
this.drawKoch(x2.intValue(), y2.intValue(),
x3.intValue(), y3.intValue(),
dimension - 1, angle + delta);
// (x4, y4) を求める(θ は angle - delta).
// (x3, y3)から(x4, y4)まで線を引く.
this.drawKoch(x3.intValue(), y3.intValue(),
x4.intValue(), y4.intValue(),
dimension - 1, angle - delta);
// (x4, y4)から(x5, y5)まで線を引く.
}
}
実行例
画像のクリックで画像が更新されます.
4. コッホ曲線(Koch curve)のアニメーション描画
コッホ曲線を$n=0$から$n=5$までを1秒程度で更新して描いてみましょう.
クラス名は,KochCurveAnimation
としてください.
今まで描画した内容を消したい場合は,EZ.removeAllEZElements()
メソッドを呼び出してください.
5. 斜方投射
例題3と例題4を合わせた動きをするボールを描きましょう.
$x$軸方向には,例題3を,$y$軸方向には,例題4の動きを設定すれば良いでしょう.
クラス名を ThrowingExercise
にしてください.
実行例
6. アニメーション
EZ Graphics を利用して,自由にアニメーションを描いてください.
クラス名は Animation
としてください.
内容は自由です.