初回授業の開始前に行っておくこと
この講義では,Javaを使ったプログラミングの演習科目です. そのため,Javaとエディタが必要です. 以下の内容を読み,必要なソフトウェアをインストールしてください.
インストール確認
まず,Java がインストールされているかを確認する.
ターミナルを開き,java -version
とjavac -version
をそれぞれ入力して結果を確認してください.
以下のような出力が得られた場合,Javaのインストールは行われていません.
Javaのインストールに書かれている項目を確認し,Javaをインストールすること.
インストールされていない場合の出力
$ java -version
java: command not found # <= javaがインストールされていない.
$ javac -version
javac: command not found
インストールされている場合の出力
$ java -version
openjdk version "1.8.0_322"
OpenJDK Runtime Environment Corretto-8.322.06.4 (build 1.8.0_322-b06)
OpenJDK 64-Bit Server VM Corretto-8.322.06.4 (build 25.322-b06, mixed mode)
$ javac -version
javac 1.8.0_322
インストールされている場合は,出力されたバージョン番号を確認してください.
出力の先頭行に 1.8.0_322
のようなバージョン番号を確認しましょう.
このバージョン番号が 1.8.0_322
になっていれば適切な Java がインストールされています.
もし,出力されたバージョン番号が 1.7.0_xxx
より前の数値や 12.x.x
,13.x.x
,14.x.x
,15.x.x
,16.x.x
になっていると古い Java 環境しかインストールされていないため,
Javaのインストールを参考に,
最新の Java をインストールするようにしてください.
なお,古いバージョンのソフトウェアは本講義ではサポートしません. 特にバージョンが 1.7.0_xxx 以前のものでは動かないサンプルプログラムも存在します. Oracle からのサポートもすでに切れており,使い続けること自体が推奨されないためです. そのため,上記のバージョンを確認し,最新の Java をインストールしておいてください. バージョンアップを行わないことによる不利益は自身で対応するようにしてください.
また,Javaの最新バージョンは,18 です(2022-03-22リリース) 本講義で主に利用するバージョンは Java 1.8 とします. ただし,動作自体は問題ありませんので, 17.X.X がインストールされている場合,改めて Java 1.8 をインストールする必要はありません.
なお,Javaのバージョンは次のように更新されていき,現在,有効なバージョンは 1.8, 11, 17, 18の4つのバージョンのみです.
- Java 1.8(2014-03-18)
- 本講義の対象バージョン.
- LTS(Long Term Support)2026年5月まで(Amazon Corretto)
- Oracleが提供する
- Java 9(2017-09-21)サポート終了
- 毎年3月と9月の年2回に定期的にリリースされるよう変更された.
- Java 10(2018-03-20)サポート終了
- Java 11(2018-09-25)
- LTS(Long Term Support)2027年9月まで(Amazon Corretto)
- Java 12(2019-03-19)サポート終了
- Java 13(2019-09-17)サポート終了
- Java 14(2020-03-17)サポート終了
- Java 15(2020-09-15)サポート終了
- Java 16(2021-03-16)サポート終了
- Java 17(2021-09-14)
- LTS(Long Term Support)
- Java 18(2022-03-22)2022年9月に Java 19がリリースされるとサポート終了.
本講義では,AWS (Amazon Web Service) が提供する Amazon Corretto 8, もしくは Azul Systems が提供する Azul Zulu Builds of OpenJDK を利用します. 両方とも オープンソースの Java の開発環境である OpenJDK の一つで, Java 1.8 に相当し,Amazon Corretto は2026年5月まで, Zulu は 2030年12月まで サポートされるようです.
Javaのインストール
手元の macOS に Java をインストールするには,次の4通りあります.
各自,自分の好きな方法を選択し,インストールしてください. なお,この4つのうちの複数の方法を併用することは難しいため,どれか1つを選んでください.
複数バージョンのJavaを切り替えながら利用したいのであれば,sdkman
,もしくはasdf
を利用してください.
全部自分で管理したい場合は,最後のインストーラを利用したインストールを利用してください.
上記の内容がよくわからない場合はsdkman
を利用してください.
sdkmanを使ったインストール
Sdkmanとは,Java に関係する様々なライブラリやツールのバージョンを管理し,インストールできるツールです.
sdkman のインストール
ターミナルにて,sdk
コマンドを実行してください.ヘルプメッセージが出てくればインストールされています.
sdk: command not found
と表示される場合はインストールされていません.
Sdkman をインストールするには,ターミナルで以下のコマンドを実行した後,新しいターミナルのウィンドウを開いてください.
インストール方法の詳細は,Sdkman のページも併せてご覧ください.
$ curl -s "https://get.sdkman.io" | bash
sdkman を使ったJavaのインストール
まず,有効なJavaのバージョンを確認するため,sdk list java
とコマンドを入力してください.
$ sdk list java
================================================================================
Available Java Versions for macOS ARM 64bit
================================================================================
Vendor | Use | Version | Dist | Status | Identifier
--------------------------------------------------------------------------------
Corretto | | 18 | amzn | | 18-amzn
| | 17.0.2.8.1 | amzn | | 17.0.2.8.1-amzn
Java.net | | 19.ea.16 | open | | 19.ea.16-open
| | 19.ea.15 | open | | 19.ea.15-open
| | 19.ea.14 | open | | 19.ea.14-open
| | 19.ea.5.lm | open | | 19.ea.5.lm-open
| | 19.ea.4.lm | open | | 19.ea.4.lm-open
| | 18 | open | | 18-open
| | 17.0.2 | open | | 17.0.2-open
Liberica | | 18.fx | librca | | 18.fx-librca
| | 18 | librca | | 18-librca
| | 17.0.2.fx | librca | | 17.0.2.fx-librca
| | 17.0.2 | librca | | 17.0.2-librca
| | 11.0.14 | librca | | 11.0.14-librca
| | 8.0.322 | librca | | 8.0.322-librca
Microsoft | | 17.0.2 | ms | | 17.0.2-ms
| | 11.0.14 | ms | | 11.0.14-ms
Oracle | | 18 | oracle | | 18-oracle
| | 17.0.2 | oracle | | 17.0.2-oracle
SapMachine | | 18 | sapmchn | | 18-sapmchn
| | 17.0.2 | sapmchn | | 17.0.2-sapmchn
Temurin | | 17.0.2 | tem | | 17.0.2-tem
Zulu | | 18 | zulu | | 18-zulu
| | 18.fx | zulu | | 18.fx-zulu
| | 17.0.2 | zulu | | 17.0.2-zulu
| | 17.0.2.fx | zulu | | 17.0.2.fx-zulu
| | 11.0.14 | zulu | | 11.0.14-zulu
| | 8.0.322 | zulu | | 8.0.322-zulu
================================================================================
Omit Identifier to install default version 17.0.2-tem:
$ sdk install java
Use TAB completion to discover available versions
$ sdk install java [TAB]
Or install a specific version by Identifier:
$ sdk install java 17.0.2-tem
Hit Q to exit this list view
================================================================================
様々なベンダからJavaの開発環境(JDK; Java Development Kit)が公開されています. AWSや,Oracle,java.net(OpenJDK),Azul Systems(Zulu)などです. この内容は,実行する環境により結果が異なります(上記の結果は,macOS Monterey, M1 で実行した結果).
この中で,インストールしたい Java のバージョンの Identifier の列を確認してください. この列がこれからインストールする Java のバージョンの文字列です.
$ sdk install java 8.0.322-zulu
# java 8.0.322-zulu がインストールされる.
# sdk list java の結果で 上記の 8.0.322 は異なる値になっているかもしれません.
これでインストールできたはずです.ターミナルを再起動してから java
コマンドを実行して確認してみましょう.
asdf
を使ったインストール
asdf
は多種多様なツール,ライブラリのバージョン管理を行うためのCLIツールです.
asdf
のインストール
Homebrew を使ってインストールしましょう.
$ brew install coreutils curl git # <- asdf の依存コマンドをインストールする.
$ brew install asdf
最後に,asdf
のパスを通しましょう.
利用しているシェルを echo $SHELL
で確認して,適切な方法を用いてください.
zsh を用いた場合.
echo -e ". $(brew --prefix asdf)/asdf.sh" >> ~/.zshrc
source ~/.zshrc
bash を用いた場合.
echo -e ". $(brew --prefix asdf)/asdf.sh" >> ~/.bash_profile
source ~/.bash_profile
asdf
を使った Java のインストール
まず,asdf
で Java を有効化するため,Java プラグインを追加しましょう.
$ asdf plugin add java
次に,有効な Java のバージョンを確認しましょう. 2022-04-01 現在 277 のバージョンが提供されています.
$ asdf list all java
adoptopenjdk-17.0.0+35
adoptopenjdk-17.0.1+12
adoptopenjdk-17.0.2+8
adoptopenjdk-jre-17.0.1+12
adoptopenjdk-jre-17.0.2+8
corretto-8.322.06.4
corretto-17.0.0.35.1
corretto-17.0.0.35.2
corretto-17.0.1.12.1
... # 途中省略
zulu-jre-javafx-18.28.13
$ asdf install java correto-8.322.06.4
これでインストールできたはずです.ターミナルを再起動してから java
コマンドを実行して確認してみましょう.
Homebrewを使ったインストール
macOS用のパッケージマネージャの一つである Homebrew(brew
コマンド)を利用して
Java をインストールする方法を記します.
Homebrew のインストール
ターミナルにて,brew
コマンドを実行してください.ヘルプメッセージが出てくればインストールされています.
brew: command not found
と表示される場合はインストールされていません.
ターミナルで次のコマンドを実行した後,新しいターミナルのウィンドウを開いてください.
$ /bin/bash -c "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/master/install.sh)"
詳細はHomebrewのページを確認してください.
Homebrew を使ったJavaのインストール
Homebrew でJavaをインストールするには,Homebrew caskの利用が必要です.
Homebrew cask をすでに利用している場合は,次のコマンドをターミナルで実行するとJavaのインストールが行われます
($
より後ろ,#
より前を入力して Enter をタイプすること).
$ brew install --cask corretto8
# Homebrew cask を利用して Java をインストールする.
ここでは,Amazon Web Service が提供するAmazon Correttoという Java の開発環境を利用します.
インストーラを利用したインストール
ここでは,Javaの配布元である Oracle からインストーラパッケージをダウンロードし, インストーラパッケージからJavaをインストールする方法を記します.
Amazon Corretto 8のダウンロードページから amazon-corretto-8-x64-macosx-jdk.pkg をダウンロードしてください.
その後は,通常のインストーラパッケージでインストールするときと同じように, ダウンロードしてできたインストーラパッケージをダブルクリックし, インストーラの指示に従ってインストールしてください.
エディタのインストール
この講義では,基礎プログラミング演習I, IIと同様に,エディタを利用してプログラムを作成します. 自身の使いやすいエディタを選び,インストールしてください. その際,次の機能の使い方を知っておくと,これ以降の演習の手間が大きく省けるでしょう.
- ソースコード全体の一括インデント
- インクリメンタル検索
- カーソルの行頭,行末,先頭行,末尾移動
- Javaのシンタックスハイライト