最終課題

ステップ0

以下のステップを実行する前に,概要課題のデータから必要なデータをダウンロードしておいてください.

ステップ1

1-A. 問題説明

与えられたデータを読み,最高気温,最低気温,平均気温を求めてください.

プログラムの実行時にコマンドライン引数として,天気データが1つ渡されます. データは,年,月,日,曜日,平均気温(℃),最高気温(℃),最低気温(℃),天気概況(昼:06時〜18時),天気概況(夜:18時〜翌日06時),降水量の合計(mm),降雨フラグ,日照時間(時間),平均雲量(10分比),平均風速(m/s)の順に並んでおり,それぞれがコンマ(,)で区切られています. その中の,平均気温,最高気温,最低気温の項目を読み,統計情報を求めてください.

なお,平均気温は,与えられたデータに含まれる平均気温の平均のこととします.

また,与えられたデータには,空白行やコメントは存在せず,正しいデータのみであることを前提として構いません(不正なデータは存在しない).

1-B. 実行例

$ cat 2016-1st-quarter.csv
2016,1,1,金,5.7,10.6,2.1,晴,晴一時曇,4.0
2016,1,2,土,6.7,12.9,1.8,曇時々晴,曇後時々晴,9.0
# 途中省略
2016,3,30,水,14.0,20.3,8.2,薄曇一時晴,晴時々薄曇,9.0
2016,3,31,木,15.6,22.3,8.8,薄曇一時晴,曇後時々雨,8.8
$ java WeatherAnalyzer1 2016-1st-quarter.csv
22.300000,-4.100000,7.354945
$ java WeatherAnalyzer1 2015-2nd-half.csv 
39.100000,0.600000,20.013043

1-C. ヒント

1-D. 評価ポイント

  • データを変更しても,例外なく実行結果を出力できるか.

ステップ2

2-A. 問題説明

プログラムの実行時にコマンドライン引数として,天気データが1つ以上渡されます. この時,晴の日,雨の日の最高気温,最低気温,平均気温を求めてください.

ここでは, 晴の日とは,昼,夜の天気概況にという文字が, 雨の日とは,昼,夜の天気概況にという文字が 含まれているものとします. そのため,天気概況が晴一時雨の場合は,晴れの日,雨の日の両方に含まれます

2-B. 実行例

$ java WeatherAnalyzer2 2016-1st-quarter.csv
全体,22.300000,-4.100000,7.354945
晴,22.300000,-4.100000,7.004938
雨,22.300000,-1.700000,8.200000
$ java WeatherAnalyzer2 2016-1st-quarter.csv 2016-3rd-quarter.csv
全体,37.900000,-4.100000,17.436612
晴,37.900000,-4.100000,16.998710
雨,37.900000,-1.700000,18.933333

2-C ヒント

  • 最高気温,最低気温,平均気温を扱う型(気温型,Temperature)を作成しましょう.
  • Temperature型では,フィールドに 最高気温,最低気温,平均気温を持ちます.
    • Temperature型にupdateのようなメソッドを用意して,最低気温,最高気温,平均気温を受け取りましょう.
      • updateメソッド内で必要であれば,フィールドの最高気温,最低気温,平均気温に代入しましょう.
    • 平均を求めるために,今まで確認した数を保持する変数(例えば,count)もフィールドに用意すると良いでしょう.
      • 平均を出力するとき,今まで加算を続けていた平均気温をcountで割ると平均気温の平均が求められます.
      • 平均を返すメソッド average を用意すると良いでしょう.

2-D 評価ポイント

  • 独自の型を作成できるか.
    • 独自の型にフィールドが宣言できるか.
    • 独自の型にメソッドが宣言できるか.
    • 独自の型を別のプログラムから利用できるか.
  • 複数のファイルがコマンドライン引数で渡されたとしても,問題なく結果を出力できるか.

ステップ3

3-A. 問題説明

プログラムの実行時にコマンドライン引数として,天気データが1つ以上渡されます. ステップ2に加えて,与えられたデータの天気概況(昼:06時〜18時)の頻度を調べてください.

3-B. 実行例

$ java WeatherAnalyzer3 2016-1st-quarter.csv 
曇,7
曇後一時雨、あられを伴う,1
# 途中省略
雪後雨一時晴、みぞれを伴う,1
晴一時雨、あられを伴う,1
全体,22.300000,-4.100000,7.354945
晴,22.300000,-4.100000,7.004938
雨,22.300000,-1.700000,8.200000
$ java WeatherAnalyzer3 2016-1st-quarter.csv 2016-4th-quarter.csv
曇後一時雨、あられを伴う,1
曇時々晴一時雨,1
晴後時々曇一時雨,1
# 途中省略
晴,18
晴時々薄曇,1
曇時々雨後晴,1
全体,31.000000,-4.100000,10.424590
晴,31.000000,-4.100000,10.007742
雨,31.000000,-1.700000,10.815068

3-C. 参考資料

3-D. 評価ポイント

  • Mapを使えているか.
    • Mapのループが書けるか.
  • 複数のファイルがコマンドライン引数で渡されたとしても,問題なく結果を出力できるか.

ステップ4

4-A. 問題説明

プログラムの実行時にコマンドライン引数として,天気データが1つ以上渡されます. ステップ3に加えて,月ごとの最高気温,最低気温,平均気温を求めてください. 求めた情報は,ステップ3よりも前に出力してください.

4-B. 実行例

$ java WeatherAnalyzer4
$ java WeatherAnalyzer4 2016-1st-quarter.csv
2016-3,22.300000,-0.700000,9.896774
2016-2,21.800000,-2.000000,6.434483
2016-1,16.000000,-4.100000,5.674194
曇,7
曇後一時雨、あられを伴う,1
曇時々みぞれ後晴、あられを伴う,1
# 途中省略
雪後雨一時晴、みぞれを伴う,1
晴一時雨、あられを伴う,1
全体,22.300000,-4.100000,7.354945
晴,22.300000,-4.100000,7.004938
雨,22.300000,-1.700000,8.200000
$ java WeatherAnalyzer4 2015-1st-half.csv 2015-2nd-half.csv
2015-8,39.100000,21.900000,28.335484
2015-11,25.300000,4.100000,14.450000
2015-7,36.500000,19.400000,27.206452
2015-10,28.000000,8.400000,18.112903
2015-9,31.600000,16.300000,22.883333
2015-4,28.800000,4.500000,15.550000
2015-3,24.500000,-1.200000,9.416129
2015-6,32.900000,14.400000,22.760000
2015-5,33.600000,10.700000,21.235484
2015-12,18.900000,0.600000,9.003226
2015-2,15.900000,-1.000000,5.625000
2015-1,13.000000,-1.700000,4.916129
曇時々雪後時々雨、みぞれを伴う,1
雨一時曇後晴,1
晴後一時雨、雷を伴う,2
# 途中省略
晴,40
晴時々薄曇,4
曇時々雨、みぞれを伴う,1
曇時々雨後晴,1
雨後時々曇,6
全体,39.100000,-1.700000,16.689863
晴,39.100000,-1.700000,16.022305
雨,38.100000,-0.500000,16.260622

4-C. ヒント

4-D. 評価ポイント

  • ステップ2で作成した型を再利用できるか.
  • Mapを使えているか.
    • ステップ3で使ったMap型の変数とは別のMap型の変数を利用する.
    • キーを"2016-7"のような年-月の文字列として表し,バリューをTemperature型にすれば良い.
  • 複数のファイルがコマンドライン引数で渡されたとしても,問題なく結果を出力できるか.

ステップ5

5-A. 問題説明

プログラムの実行時にコマンドライン引数として,天気データが1つ以上渡されます. ステップ2の出力は削除し,天気概況ごとの頻度,最高気温,最低気温,平均気温を求めてください. なお,天気概況は,天気概況(昼:06時〜18時)を利用してください. 天気概況(夜:18時〜翌日06時)は含める必要はありません.

5-B. 実行例

$ java WeatherAnalyzer5 2016-1st-quarter.csv
2016-3,22.300000,-0.700000,9.896774
2016-2,21.800000,-2.000000,6.434483
2016-1,16.000000,-4.100000,5.674194
曇,7,21.700000,0.800000,8.314286
曇後一時雨、あられを伴う,1,8.200000,0.900000,4.000000
曇時々みぞれ後晴、あられを伴う,1,8.000000,0.300000,3.600000
# 途中省略
晴後時々曇,3,14.400000,0.700000,5.500000
雪後雨一時晴、みぞれを伴う,1,5.400000,-1.700000,1.600000
晴一時雨、あられを伴う,1,14.700000,6.000000,9.700000
全体,22.300000,-4.100000,7.354945
$ java WeatherAnalyzer5 2016-1st-quarter.csv 2015-1st-half.csv
2016-3,22.300000,-0.700000,9.896774
2015-4,28.800000,4.500000,15.550000
2016-2,21.800000,-2.000000,6.434483
2015-3,24.500000,-1.200000,9.416129
2015-6,32.900000,14.400000,22.760000
2015-5,33.600000,10.700000,21.235484
2016-1,16.000000,-4.100000,5.674194
2015-2,15.900000,-1.000000,5.625000
2015-1,13.000000,-1.700000,4.916129
曇時々雪後時々雨、みぞれを伴う,1,6.200000,1.300000,3.600000
雨一時曇後晴,1,11.300000,4.500000,7.300000
# 途中省略
曇時々雨後晴,1,8.600000,2.800000,5.000000
雨後時々曇,6,24.200000,5.700000,15.733333
全体,33.600000,-4.100000,11.318750

5-C. ヒント

ステップ3では頻度を求めるのにMapのバリューとして,Integerを利用したと思います. 今回は,頻度のほか,その時の気温の最大,最小,平均をも求める必要がありますので, そのための型を作成しましょう. フィールドとして,頻度のIntegerステップ2で作成した気温型を持ちましょう.

以下のような型を利用すると良いでしょう.

public class WeatherFrequency{
    Integer count = 0;
    Temperature temp = new Temperature();
}

5-D. 評価のポイント

  • 複数のファイルがコマンドライン引数で渡されたとしても,問題なく結果を出力できるか.

ステップ6

6-A. 問題説明

プログラムの実行時にコマンドライン引数として,天気データが1つ以上渡されます. ステップ5に加えて,週単位の平均気温,最高気温,最低気温を グラフに描画するためのデータをファイルに出力してください.

以下の条件を満たすように出力してください.

  • 1週間は月曜日に始まり,日曜日に終わります.
  • 1週間に満たないデータは出力に含めないようにしてください.
  • 出力先のファイルは,weekly-temperatures.csv とします.
  • 出力ファイルの形式は,次の通りとします.
    • 1週間の最初の日付(年-月-日の形式)温,週の最高気温,週の最低気温,週の平均気温
    • 例えば,2016年7月4日(月)の週の平均気温が28.5,最高気温が32.0,最低気温が24.6であれば,次のような出力となります.
      • 2016-7-4,32.0,24.6,28.5
  • グラフの描画は,Excel を利用するか,このページで確認してください.

6-B. 実行例

$ wc -l weekly-temperatures.csv              # 実行前はファイルは存在しない.
wc: weekly-temperatures.csv: open: No such file or directory
$ java WeatherAnalyzer6 2015-1st-half.csv    # 実行する.
2015-3,24.500000,-1.200000,9.416129          # 実行結果はステップ5と同一
2015-6,32.900000,14.400000,22.760000
2015-5,33.600000,10.700000,21.235484
2015-2,15.900000,-1.000000,5.625000
2015-1,13.000000,-1.700000,4.916129
曇時々雪後時々雨、みぞれを伴う,1,6.200000,1.300000,3.600000
雨一時曇後晴,1,11.300000,4.500000,7.300000
曇時々晴一時雪,1,5.800000,-1.700000,1.800000
# 途中省略
曇時々雨後晴,1,8.600000,2.800000,5.000000
雨後時々曇,6,24.200000,5.700000,15.733333
全体,33.600000,-1.700000,13.311602
$ wc -l weekly-temperatures.csv             # ファイルが出力されている.
      25 weekly-temperatures.csv
$ cat weekly-temperatures.csv
2015-1-5,11.100000,1.900000,5.157143
2015-1-12,9.900000,0.100000,4.985714
# 以降省略
$ java WeatherAnalyzer6 2016-1st-quarter.csv 2015-2nd-quarter.csv # 連続した2つのファイルを与えて実行する.
2016-6,33.500000,12.600000,23.210000
2016-3,22.300000,-0.700000,9.896774
2016-2,21.800000,-2.000000,6.434483
2016-5,33.100000,10.600000,21.006452
2016-4,28.600000,3.500000,16.090000
2016-1,16.000000,-4.100000,5.674194
曇後一時雨、あられを伴う,1,8.200000,0.900000,4.000000
# 以降省略
$ wc -l weekly-temperatures.csv
      25 weekly-temperatures.csv
$ cat weekly-temperatures.csv
2016-1-4,16.000000,1.600000,7.742857
# 以降省略
2016-3-21,19.100000,1.700000,8.728571
2016-3-28,22.300000,4.000000,14.071429   # 連続したファイルの場合,この週が有効になる.
2016-4-4,24.700000,8.500000,15.871429
# 以降省略
2016-6-20,31.000000,18.500000,23.942857

6-C. ヒント

  • ファイルの出力が行えるか.

6-D. 評価ポイント

  • 複数のファイルがコマンドライン引数で渡されたとしても,問題なく結果を出力できるか.
    • 1ファイルのみの場合は切り捨てた情報が必要となる場合がある.
  • 適切に可読性を保ったまま機能追加が行えるか.