Integer
型の2次元配列のようなデータ構造Table
を作成してください.
すなわち,以下のプログラムが実行できるようなプログラムを作成してください.
public class TableRunner {
void run() {
Table table = new Table();
table.setSize(3, 4);
table.set(0, 0, 10);
table.set(0, 1, table.get(0, 0) + 10);
table.set(0, 2, table.get(0, 1) + 10);
System.out.printf("%d行%d列の2次元配列%n", table.rowCount(), table.columnCount());
table.print();
}
// mainメソッドは省略.
}
$ java TableRunner
3行4列の2次元配列
10 20 30 0
0 0 0 0
0 0 0 0
Table
クラスでは,setSize
, get
,set
,rowCount
,columnCount
,print
メソッドを用意すると良いでしょう.Integer
型の二次元配列ではなく,HashMap<Integer, HashMap<Integer, Integer>>
型の変数map
を利用しましょう.setSize
ではサイズが指定されます.
rowCount
,columnCount
でそれぞれ返り値として利用しますので,フィールド変数に代入しておきましょう.set
はrow
,column
,値(value
)が指定されます.
map
からrow
のHashMap<Integer, Integer>
(submap
とします)を取得します.submap
がnull
なら新たな実体を作成しましょう.submap
に column
をキー,value
をバリューとしてペアを追加します.map
にrow
をキー,submap
をバリューとしてペアを追加します.row
とcolumn
がそれぞれ0以上,rowCount
,columnCount
以下であることを確認しましょう.
IndexOutOfBoundsException
を投げてください(具体的なコードはコード断片をご覧ください.).get
はrow
,column
が指定されます.
map
からrow
のHashMap<Integer, Integer>
(submap
とします)を取得します.submap
がnull
なら0を返します.submap
からcolumn
をキーとしてバリューを取得し,返します.
null
の場合は,0を返すようにしておきましょう.row
とcolumn
がそれぞれ0以上,rowCount
,columnCount
以下であることを確認しましょう.
IndexOutOfBoundsException
を投げてください(具体的なコードはコード断片をご覧ください.).// import文
public class Table{
HashMap<Integer, HashMap<Integer, Integer>> map = new HashMap<>();
// その他のフィールド
void setSize(Integer rowCount, Integer columnCount){
// ...
}
void checkRange(Integer row, Integer column) {
if(row < 0 || row >= rowCount() || column < 0 || column >= columnCount()){
throw new IndexOutOfBoundsException(String.format(
"size (%d, %d), index (%d, %d)", rowCount(), columnCount(), row, column));
}
}
Integer get(Integer row, Integer column){
checkRange(row, column);
// ...
}
void set(Integer row, Integer column, Integer value){
checkRange(row, column);
// ...
}
Integer rowCount(){
// ...
}
Integer columnCount(){
// ...
}
void print(){
for (Integer i = 0; i < rowCount(); i++){
for (Integer j = 0; j < columnCount(); j++){
System.out.printf(" %3d", get(i, j));
}
System.out.println();
}
}
}
問題文で示したTableRunner
の通りです.
Table.java
自体は main
メソッドを用意しなくて構いません.
ここでは,郵便番号から住所の検索を行うプログラムを作成します.
zipcode.csv
にファイル名を変更してください.iconv
コマンドがインストールされているなら,ターミナルで次のように入力しましょう.
iconv -t utf-8 zipcode.csv > zipcode2.csv
iconv --to-code utf-8 zipcode.csv > zipcode2.csv
でも良い.mv zipcode2.csv zipcode.csv
Ctrl+x RET f
と入力すると変換したい文字コードを聞かれますので,utf-8
と入力してください.ZipCode
としてください.例題1. お弁当の料金表が参考になるでしょう.
初期化処理(initialize
メソッド)でzipcode.csv
を読み込み,HashMap
型の変数に
郵便番号と対応した住所を追加(put
)しましょう.
その後,検索処理を行います.検索処理はsearchAndPrint
メソッドとほぼ同じで良いでしょう.
キーとバリューそれぞれの型は何が良いかを考えて作成しましょう.
ダウンロードした csv ファイルは,各カラムがダブルクォートで囲まれています.
これを削除するには,以下のメソッド(stripQuote
)を使うと良いでしょう.sampleCode
メソッド
はstripQuote
の使い方の例です.sampleCode
メソッドにあるように,split
で
得られた配列の各要素を順にstripQuote
に渡すことで,
ダブルクォートを除いた部分を取り出しています.
String stripQuote(String item){
if(item.matches("\".*\"")){
return item.substring(1, item.length() - 1);
}
return item;
}
void sampleCode(){
String original = "\"クォートで囲まれた文字列\"";
String value = this.stripQuote(original);
// originalには「"クォートで囲まれた文字列"」が代入されており,
// valueには「クォートで囲まれた文字列」が代入される.
}
なお,matches
メソッドは与えられた正規表現(Regular Expression)にマッチするかを判定するメソッドです.
$ java ZipCode 6038035 6038047 1000001
6038035: 京都市北区上賀茂朝露ケ原町
6038047: 京都市北区上賀茂本山
1000001: 見つかりませんでした
100-0001 は東京都の郵便番号ですので,京都府の郵便番号表では見つかりません. そのため,上記のように「見つかりませんでした」と出力されています.
以下の仕様に従った名前と電話番号のペアを管理する電話帳を作成しましょう.
PhoneBook
としてください.add 名前 電話番号
list
find 名前
remove 名前
exit
SimpleConsole.java
を利用してください.
SimpleConsole.java
をここからダウンロードし,プログラムと同じディレクトリに置いてください.String
型のsplit
メソッドを利用しましょう.
String[] items = line.split(" ");
SimpleConsole.java
は一切変更してはいけません.
PhoneBook.java
には,SimpleConsole.java
のコードを貼り付けてはいけません.SimpleConsole console = new SimpleConsole();
String line = console.readLine();
利用する前に,new
で実体を作成してください.
その後,得られた実体(上記の例では console
)に対して readLine
メソッドを呼び出すと1行読み込むことができます.
> list
> add tamada 090-1111-1111
> find tamada
tamada 090-1111-1111
> find akiyama
> add akiyama 090-2222-2222
> list
tamada 090-1111-1111
akiyama 090-2222-2222
> remove akiyama
> find akiyama
> add tamada 090-1111-2222
> list
tamada 090-1111-2222
> exit
>
で始まる行が入力を表しています.
最初は電話帳に何も入力されていないため,list
コマンドを入力しても何も出力されません.
データをadd
コマンドで追加していくことで,結果が変わってきます.