初回授業開始前に行っておくこと

この講義では,Javaを使ったプログラミングの演習科目である.そのため,Javaとエディタが必要です. 以下の内容を読み,必要なソフトウェアをインストールしてください.

インストール確認

まず,Java がインストールされているかを確認する. ターミナルを開き,java -versionjavac -versionをそれぞれ入力して結果を確認してください. 以下のような出力が得られた場合,Javaのインストールは行われていません. Javaのインストールに書かれている項目を確認し,Javaをインストールすること.

$ java -version
java: command not found # <= javaがインストールされていない.
$ javac -version
javac: command not found

インストールされている場合は,出力されたバージョン番号を確認してください. 出力の先頭行に 1.8.0_202 のようなバージョン番号を確認しましょう. このバージョン番号が 1.8.0_202 もしくは,最後の数値が 201 よりも大きな数値になっていれば最新の Java がインストールされています. もし,出力されたバージョン番号が 1.7.0_xxx や最後の数値が 200 より前の数値になっていると古い Java 環境しかインストールされていないため, Javaのインストールを参考に, 最新の Java をインストールするようにしてください.

$ java -version
openjdk version "1.8.0_202" # <= この数値を確認する.
OpenJDK Runtime Environment Corretto-8.202.08.2 (build 1.8.0_202-b08)
OpenJDK 64-Bit Server VM Corretto-8.202.08.2 (build 25.202-b08, mixed mode)
$ javac -version
javac 1.8.0_202

なお,古いバージョンのソフトウェアは本講義ではサポートしません. 特にバージョンが 1.7.0_xxx 以前のものでは動かないサンプルプログラムも存在します. Oracle からのサポートもすでに切れており,使い続けること自体が推奨されないためです. そのため,上記のバージョンを確認し,最新の Java をインストールしておいてください. バージョンアップを行わないことによる不利益は自身で対応するようにしてください.

また,Javaの最新バージョンは,12 です(2019年3月19日現在) なお,Java 1.8 → Java 9 → Java 10 → Java 11 → Java 12の順にバージョンが更新されています. しかし,Java 9 から大規模な変更が行われているため,Java 9以降で導入された機能は本講義の対象外とし, 本講義で利用するバージョンは Java 1.8 とします. ただし,動作自体は問題ありませんので, 12.X.X がインストールされている場合,改めて Java 1.8 をインストールする必要はありません.

なお,Java 9,Java 10は Java 11 がリリースされたことによって,Oracleによる公式アップデートはすでに終了しています. 加えて,Oracle が提供する Java 1.8 もサポートが切れています. Java 11は長期サポート(LTS: Long Term Support)の対象になっているため,公式アップデートは 2021年9月まで受けられる予定です.

本講義では,AWS (Amazon Web Service) が提供する Amazon Corretto 8 を使います. Amazon Corretto は OpenJDK の一つで Java 1.8 に相当し,2024年8月までサポートされる予定です.

Javaのインストール

手元の macOS に Java をインストールするには,次の3通りあります.

  1. Homebrewを利用する方法,
  2. sdkmanを利用する方法,
  3. インストーラパッケージを入手し,自分自身でインストールする方法

各自,自分の好きな方法を選択し,インストールしてください. なお,この3つ(もしくはこの3つのうちの2つ)を併用することは難しいため,どれか1つを選んでください. 他のコマンドラインアプリも管理したいなら brew, 複数バージョンのJavaを切り替えたいなら sdkman, 全部自分で管理したいなら最後の自分自身でのインストールを選んでください. なお,複数バージョンのJavaを切り替えたい場合は,sdkman でなくても,brew+jenv でも可能です.

Homebrewを使ったインストール

macOS用のパッケージマネージャの一つである Homebrew(brewコマンド)を利用して Java をインストールする方法を記します.

Homebrew のインストール

ターミナルにて,brewコマンドを実行してください.ヘルプメッセージが出てくればインストールされています. brew: command not found と表示される場合はインストールされていません. Homebrewのページを確認して,インストールしてください.

Homebrew を使ったJavaのインストール

Homebrew でJavaをインストールするには,Homebrew caskの利用が必要です. Homebrew cask をすでに利用している場合は,次のコマンドをターミナルで実行するとJavaのインストールが行われます ($より後ろ,#より前を入力して Enter をタイプすること).

$ brew tap caskroom/cask 
    # Homebrew cask の利用を開始する.
    # すでに利用している場合は上の行は不要.
$ brew cask install corretto
    # Homebrew cask を利用して Java をインストールする.

ここでは,Amazon Web Service が提供するAmazon Correttoという Java の開発環境を利用します.

sdkmanを使ったインストール

sdkman のインストール

ターミナルにて,sdkコマンドを実行してください.ヘルプメッセージが出てくればインストールされています. sdk: command not found と表示される場合はインストールされていません. Sdkmanのページを確認して,インストールしてください.

sdkman を使ったJavaのインストール

次のようにコマンドを入力し,インストールしてください.

$ sdk install java 8.0.202-amzn
  # java 8.0.202-amzn がインストールされる.
$ sdk list java
================================================================================
Available Java Versions
================================================================================
     13.ea.11-open       8.0.202.j9-adpt
     12.ea.31-open       8.0.202.hs-adpt
     11.0.2-sapmchn      8.0.202-zulufx
     11.0.2-zulu         8.0.201-oracle
     11.0.2-open         7.0.181-zulu
     11.0.2-amzn         1.0.0-rc-13-grl
     11.0.2.j9-adpt      1.0.0-rc-12-grl
     11.0.2.hs-adpt      1.0.0-rc-11-grl
     11.0.2-zulufx       1.0.0-rc-10-grl
     10.0.2-zulu         1.0.0-rc-9-grl
     10.0.2-open         1.0.0-rc-8-grl
     9.0.7-zulu
     9.0.4-open
     8.0.202-zulu
 > * 8.0.202-amzn

================================================================================
+ - local version
* - installed
> - currently in use
================================================================================

後ろに -amznとついているのが,AWSが提供する OpenJDK, -oracleとついているのが,Oracleが提供する JDKです. また,-openが OpenJDKです.

インストーラを利用したインストール

ここでは,Javaの配布元である Oracle からインストーラパッケージをダウンロードし, インストーラパッケージからJavaをインストールする方法を記します.

Amazon Corretto 8のダウンロードページから amazon-corretto-8.202.08.2-macosx-x64.pkg をダウンロードしてください.

その後は,通常のインストーラパッケージでインストールするときと同じように, ダウンロードしてできたインストーラパッケージをダブルクリックし, インストーラの指示に従ってインストールしてください.

エディタのインストール

この講義では,基礎プログラミング演習I, IIと同様に,エディタを利用してプログラムを作成します. 自身の使いやすいエディタを選び,インストールしてください. その際,次の機能の使い方を知っておくと,これ以降の演習の手間が大きく省けるでしょう.

  • ソースコード全体の一括インデント
  • インクリメンタル検索
  • カーソルの行頭,行末,先頭行,末尾移動
  • Javaのシンタックスハイライト

おすすめのエディタ

その他

タッチタイピングについて

シラバスにも書いていますが,タッチタイピングができない人はできるように練習してください. タッチタイピングができないことのみで,単位を落とすことはありませんが, タッチタイピングができないことは,単位取得に非常に不利になります.

タッチタイピングができるよう練習しておいてください.

インデントについて

例年,インデントをしっかり行なっていない学生が多く見られます. その多くは,あまりプログラムが得意でない学生が多いようです.

インデントは,変数の有効範囲や,ブロックの範囲を視覚的に見るための基本的なテクニックです. そのため,こまめにインデントを行いましょう.

もちろん,プログラムを書き進めるうちにインデントが崩れるのは仕方のないことです. それを手作業で戻り,インデントし直すのは面倒なのもわかります. だからやらない,のではなく,だから簡単にできる方法を用いてインデントするようにしてください.

近年のエディタには一括インデントの方法が必ず存在します. 例えば,Emacs では M-C-\ で選択範囲の一括インデントが行えます. それを調べ,こまめにインデントを行うようにしましょう.